「今すぐお問い合わせ」ボタンが、何度も何度も
ホームページを訪れた人が何を感じ、どう行動するかは不確定要素に満ちています。Web Design Aoiでは行動経済学を駆使して、ウェブデザインが人々の行動にどう影響を与えるかを日々考えています。
考えてみてください。訪れたホームページに「今すぐお問い合わせ」ボタンが、何度も何度も躍り出てきたら、どう思いますか? 瞬時にクリックする人もいるかもしれません。しかし、ほとんどの人は「待って、もっと詳しく調べてから決めたい」と思うでしょう。
「選択のパラドックス」
ここで行動経済学の一部、「選択のパラドックス」をご紹介します。これは「選択肢が多すぎると、人々は決定を下すのが難しくなる」という理論です。そのホームページに何を求めているのかが明確でない場合、人々はすぐにアクションを起こすことを避ける傾向があります。
この原理は、リアルなビジネスの世界でも確認されています。例えば、あるスーパーマーケットでは、試食コーナーでジャムを提供しています。1日目は24種類のジャムを展示しました。訪れた人々は多くの種類に驚き、試食もしましたが、購入に至る人はほんの一部でした。翌日、同じ場所にはわずか6種類のジャムを展示。すると、人々は試食だけでなく購入までしてくれました。なぜでしょう?それは選択肢が少ないほうが、人々にとっては選ぶ負担が少なく、結果的に行動しやすくなるからです。
「買って下さい!買って下さい!」
それと同様に、ホームページの訪問者にとっても、選択肢が明確で導線がシンプルであればあるほど、行動を起こしやすくなります。ですから、私たちのホームページは訪問者に「買って下さい!買って下さい!」という売りたい気持ちを具体的に示すことはせず、その代わりに、やさしい言葉で訪問者が問い合わせしやすい雰囲気を醸しだし、かつ訪問者が問い合わせると得をするという事を丁寧に説明することに重きを置いています。
「損失回避(プロスペクト理論)」
また、私たちは訪問者がサイトを離れる理由も理解しています。それは「失うもの」への恐怖です。これは行動経済学の概念で、「損失回避(プロスペクト理論)」の原理と呼ばれます。人は何かを得るための行動よりも、何かを失うことを避けるための行動に強く駆り立てられます。
たとえば、「購入ボタン」を押すと、「今すぐお金を失う」と感じるかもしれません。「今すぐお問い合わせ」をクリックすると、執拗なまでの営業が待っていて、それに負けてしまう自分を想像するかもしれません。「資料請求」をクリックすると、見込み客と思われ同様に執拗な営業が待っていて、時間を失うと想像するでしょう。殆どの人が、情報商材の「資料請求 無料」ボタンをクリックしないのはこのためです。
それが行動を阻止する大きな要因となります。このような理由からWeb Design Aoiでは、訪問者に「失うもの」ではなく、「得るもの」に焦点を当てるようにウェブデザインを進めています。
「敷居の低いお問い合わせ」
このように、行動経済学は、人々のウェブサイトに対する行動を理解し、より良い体験を提供するための強力な道具となります。訪問者が自分自身で最良の選択を下せるような場所に「敷居の低いお問い合わせ」へのリンクを設置することで、最良の結果をもたらすホームページを制作することが可能です。
取り扱う商材が高額でしたらこの結果は顕著に表れます。
居酒屋やランチができるところを探す等、商材が低価格の場合で急を要する場合はこの限りでは無いかもしれませんが、私ならGoogleの口コミを調べてから入店するので、すぐに電話ボタンは押さないかも知れません。
web design aoi
株式会社あおい
代表取締役
Web Design Aoi
Web Design Aoiでは、最小限個数で「お問い合わせはこちら」「資料請求」「お電話はこちら」を設けます。弊社大多数のクライアントが、ボタンを最小限にしても、お問い合わせや引き合いがあると聞いているためです。
他社
フロティングメニューによる誘導ボタンや、電話ボタン、執拗なまでの「今すぐお問い合わせ!」。ボタンを減らした方がお客さんが増えたと、数多のクライアントから聞いております。
とどのつまり、こういうことを言いたかったのです。
ホームページ(webサイト)を、誘導ボタンだらけでゴチャゴチャさせると、売りたい気持ちが閲覧者に伝わってしまい、かえって売れなくなってしまうジレンマに陥ります。なのに、なぜ「お問い合わせはこちら」「資料請求」「お電話はこちら」を沢山付けてしまうのでしょうか。本当に買いたいお客さんや、本気で相談したい方は、たとえボタンが少なくても連絡先を探すはずです。人ってそういう生き物です。